住宅保険料の上昇を乗り越える：ハワイ不動産オーナーが知っておくべきこと

ハワイでのコンドミニアム保険が大きな負担になりつつあることにお気づきでしょうか？ 多くのハワイ不動産オーナーが、引き締まる保険市場と建設・不動産維持にかかるコストの上昇により、保険料の値上がりに直面しています。今回は、これらの変化の背景と、取るべき対応についてご紹介します。

なぜ保険料が上がっているのか？

ハワイの保険市場は、フロリダやカリフォルニアといった高リスク地域と同様の課題に直面しています。保険がより高額で加入困難となっている要因は、下記のとおりです。

●より厳格な基準

引受基準の厳格化により、保険会社は引受対象の住宅をより慎重に精査するようになっています。不動産オーナーは、最新の写真、維持管理の証明、屋根や住宅の状態に関する詳細など、より多くの書類を提出する必要があります。とくに古い物件や高リスク地域にある物件では、保険の加入自体が難しくなる場合もあります。既存の契約者も例外ではなく、保険会社が更新時に契約内容を厳しく見直し、一定の基準を満たさない場合は更新を拒否することもあります。

「こうした変化は、とくに限られた資金でやりくりしているご家庭にとっては大変なことですが、住宅が適切に管理されていることを確かめることで、本当に必要なときにしっかり補償が受けられるようにするための措置でもあります」と、ピラミッド・インシュランス社のパーソナルライン担当副社長であるアライッサ・バレチャ氏は説明します。

●詳細な確認プロセス

保険会社はウェブベースのポータルを導入し、不動産オーナーが物件の状況を確認できる詳細な書類をアップロードすることを求めています。このプロセスは保険会社がリスクをより正確に把握するのに役立ちますが、不動産オーナーにとっては複雑さが増すことになります。必要書類をすべて提出したとしても、必ずしも承認が得られるとは限らず、失望や不安につながる場合があります。加入の遅延や拒否を避けるためにも、不動産オーナーは最新かつ十分な書類を提出する必要があります。

●建設コストの上昇

近年、建て替え費用が急騰しており、その結果、補償額が増加し、保険料の上昇につながっています。
バレチャ氏は、「多くの不動産オーナーは、補修や建て替え費用がどれほど上がっているかを認識していません。こうした変化を反映するために定期的に契約内容を見直し、更新することが非常に重要です。適切な補償がなければ、災害時に補償不足に陥る可能性があります」と語っています。

残念ながら、多くの不動産オーナーは、実際に保険金を請求して初めて補償不足に気づきますが、その時点では契約変更は遅すぎる場合があります。今のうちから先手を打つことが、災害時に高額な不測の出費を避けることにつながります。

不動産オーナーにできること

保険料の値上がりを完全に避けることはできませんが、その影響を和らげる方法があります。

• 複数の見積もりを取得する：自動更新せず、他社のプランを比較検討する。
• 高めの免責額を検討する：住宅ローンの貸し手が許可する場合、免責額を高く設定することで保険料を下げられる。
• 住宅の改修に投資する：住宅を良好に維持し、安全対策（例：スプリンクラー設置など）を行うことで、保険料の削減につながる場合がある。
• 十分な補償を確保する：建設費用が上昇しているため、契約内容が最新の費用を反映していることを確認する。
• 地元の保険専門家と協力する：ハワイを拠点とするブローカーは市場をよく理解しており、費用対効果の高い解決策を提案できる。
• 政治支援を働きかける：高リスク地域での保険の手頃さを推進する政策を支持することで、長期的な負担軽減につながる。

未来への希望

政府支援による保険プログラムについても議論が進んでおり、救済策が期待されています。たとえばカリフォルニア州では、最大300万ドルの住宅保険をカバーする州後援の保険プランを提供しています。ただし、Fannie Mae や Freddie Mac（アメリカの住宅ローン市場で重要な役割を果たす政府支援企業、GSE）は再建費用の100％をカバーする保険を必要としているため、こうしたプログラムが住宅ローンの要件を完全に満たさない場合があります。さらに、PACEのようなファイナンシャル支援プログラムは、必要な住宅改善を行うためのサポートを必要とする不動産オーナーにとって選択肢となり得ます。

「保険料の上昇は不動産オーナーにとって大きな負担であり、しばしば不満につながるのも当然です。しかし、契約内容の見直し、他社との比較、知識豊富な地元代理店との連携といった積極的な対応を取ることで、ベストな選択肢を見つけ、適切な補償を確保することができます」とバレチャ氏は語っています。

コンドミニアム保険料が上昇している中であっても、積極的な不動産オーナーはコスト管理と適切な補償確保のための手を打つことができるのです。