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現金維持のための戦略

現金は、ビジネスにとって生命線です。請求書の支払いを可能にし、日々の運営を支える基盤となります。緊急時に備えて常に現金を手元に用意しておく必要がありますが、事業が拡大段階にある場合は、運転資金をまかなうために追加の現金が必要になることもあります。
もし、現金残高が毎月減少していると感じているなら、事業を軌道に戻すために建設的な対策を講じる必要があります。
ここでは、現金残高をプラスに保ち、ビジネスを安全に継続するための戦略をご紹介します。
不要なコストを削減する
ビジネスには実際には不要な支出が数多くある可能性があります。今こそ、見直しの絶好の機会です。費用を精査し、もはや必要のないコストや、ベターな条件に変更できそうな費用を洗い出しましょう。例えば、以下のようなケースがあります。
- すでに使っていないソフトウェアの月額(年額)サブスクリプション料金
- 高額な固定サービスプラン(機能をすべて必要としない場合は、より低い料金プランを検討)
- 過剰在庫に伴う保管費用
- 販売促進につながっているか不明な広告コスト
- 必要に応じて自分で対応できる作業の外注費
過去数ヶ月分の請求書やクレジットカード明細(自身および従業員のもの)を確認し、完全に削減または見直し可能な支出を見つけましょう。
すぐに請求書を発行する
業務が完了したら、できるだけ早く請求書を発行しましょう。大口顧客に対しては、顧客の支払いサイクルに組み込んでもらうか、承認された取引先として登録されるよう早めに申請することが有効です。
また、見積もり以上の業務を依頼された場合は、追加料金について交渉しましょう。そのためにも、最初の契約段階で納品範囲を明確にしておくことが重要です。
まだ導入していない場合は、会計ソフトを利用し、請求書の自動送信やリマインダー機能を活用すると効率的です。
迅速に現金を調達する
一時的にキャッシュフローを改善する必要がある場合は、下記の方法を活用し、販売・マーケティング戦略を調整しましょう。
- 割引などの早期支払いインセンティブを提供し、前払い購入の動機付けをする
- 短期的なリード獲得や売上に焦点を当てたマーケティングを展開する
ただし、短期的なインセンティブはあくまで一時的な措置です。キャッシュフローを改善するために割引を提供するのは有効ですが、長期的には利益率を損なう可能性があります。短期戦略には明確な終了計画を立て、現金が安定した時点で速やかに終了させましょう。
進捗に応じた支払いを求める
新規顧客との契約時には、前払い金や分割払いなど、キャッシュフローに配慮した支払い条件を設定しましょう。
- 長期プロジェクトでは、着手金や段階的な支払いを交渉する
- 定期的な請求書発行と支払いスケジュールを契約書に明記する
- 作業内容のマイルストーンを明確にし、請求に関するトラブルを未然に防止する
プロジェクト期間中に段階的に支払いを受けることで、キャッシュフローが安定し、定期的な支払いの原資を確保できます。
在庫管理を徹底する
在庫を保有している場合、管理を厳格化することでキャッシュフローを大きく改善することができます。
- 必要最小限の在庫で顧客対応が可能な状態を維持する
- シーズン的なピークとボトムを把握し、それに応じた在庫調整を行う
- ジャストインタイム方式を導入し、保管コストをサプライヤーに負担させる
- 売れ行きの悪い商品や売れ残り、型落ち商品の在庫をセールなどで処分し現金化する
大幅な割引でも売却することで現金を確保できます。とくに、売れそうにない在庫であれば、大幅な値引きでも必要な資金を確保できます。
売掛金管理(クレジットコントロール)
効果的な売掛金管理により、回収サイクルを早め、貸し倒れリスクを減らすことが可能です。以下の対策を検討しましょう。
- 取引開始前に顧客の信用調査を行う
- 信用スコアリングシステムの活用や、すべての顧客に対して適切な信用限度額を設定する
- 万が一貸し倒れた場合に損失として耐えられる範囲内の与信に留める
- 商品やサービスの提供後、すぐに請求書を発行する。期日までに支払いが問題なく行われるよう、請求書の内容をしっかり確認する
- 支払い遅延が発生した場合、金額の大きい債権から優先的に回収を行う
なお、遅延利息を請求する場合は、あらかじめ契約条件に明記する必要があります。
回収が困難な場合は、債権回収専門の弁護士や業者の利用も選択肢に入れましょう。会計ソフトと連携できる回収支援ツールも有効です。
追加資金の検討
一時的な資金不足に対応するためには、外部資金の活用も視野に入れましょう。さまざまな資金調達手段があります。
- 当行では、ビジネスローン、信用枠、米国中小企業庁(SBA)ローンなど、資金繰りのサポートや事業拡大を支援する様々な金融商品をご用意しております。ぜひお気軽にご相談ください
- パソコン、車両、機械などの購入においては、現金を使うのではなく、リースや資産金融(アセットファイナンス)の利用を検討しましょう
強固な資本基盤はビジネス運営に不可欠です。事業の健全性が保たれている場合には、自己資金の追加投入も一時的な資金難を乗り切る手段となり得ます。
次のステップ
キャッシュフローの問題が明らかになったら、すぐに対応することが重要です。不要なコストの見直しと削減、請求業務の効率化と管理体制の整備、可能であれば着手金や進捗に応じた支払いの導入を検討してください。
そして、追加の資金調達を活用することで、一時的な資金不足を乗り越えることも可能です。持続可能なキャッシュフローの実現に向けて、今すぐ行動を始めましょう。
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